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メッセージ

五百マイル





 夕飯の支度で忙しい時に 、立て続けに電話が鳴る。
「すみませんが必要ありませんので、お電話切らせて頂きますね。」
 もう、この忙しい時にと、つい愚痴が洩れる。
「また、教材の売り込み?」
「今日は終業式だったでしょ、通知簿を貰って帰る日。むこうもその
タイミングを見計らってかけてくるのよ。ちゃっかりしてるわね。」
「へえ、 なめられたもんやな、俺も。」
 夕飯を待ちきれない息子が、台所でラーメンをすすっている。成績
の下がった自分を鼻にも引っ掛けない素振りで強がりを見せているだ
けなのだが、実は気にしているのだ。こういうところは、わたし譲り
なのかもしれない。
 十四歳と言えば多感な時期。本音と建て前を使い分けながらも、め
いっぱい背伸びをする。そうかと思えば、美醜意識が研ぎ澄まされて
いて、こちらがハッと気付かされることが何度もある。
 また電話が鳴る。同じ断り文句を繰り返している途中で、
「かあさん、がんばれ!」
 面白い子だ、この子は。何だかとてもあたたかい気持ちに包まれ
る。
 小学生はまだまだ子供で、大人の玄関を叩くのは高校生になってか
ら。中学生といえば、その狭間にいて、稚心を棄て切れないまま青年
へと逞しく成長する時期といえよう。ただ、その成長過程を目の辺り
にする親たちにすれば、もどかしいくらいに頼りなく、また、危なっ
かしく見える。時として彼らは、たわいのない小事で立ち止まったか
と思うと急に走り出したり、また、目の前の小風に怖気づき、深く思
い悩んだりする。
 思春期における成長のカーブは長い人生において初めて迎える変曲
点である、といわれている。確かに自分のカーブは、十四歳の頃に大
きく変わったのかもしれない。
 受話器を再び戻しながら、ふと、自分の十四歳の頃が蘇ってきた。

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baseさんに一言

プロフィール

base
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男性
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19,498
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2009/03/05
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26
最終ログイン:
今日
自己紹介:
以前に書き溜めていた物語の数々に手を加えて、アップしていこうと思っています。読んでいただけたら嬉しいです。
十日前後(予定)で更新します。

2月10日 「五百マイル」upしました。

パーソナルタグ:
音楽 地震、小説
リクエストタグ:
地震 音楽、小説
ライブタグ:
地震
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